Mind子ども相談室 高橋健雄
私は「子育ては最高の自己表現」と思っています。
子どもを育てている時に、親が大切にしている価値観や、親の生きる姿勢や在り方が、日々の関わりを通して子どもという新しい存在の中に反映されていきます。その過程は、ある種の壮大なクリエイティビティとも言えます。
幼稚園の子育て相談で、「今まで人に怒ることなかったのに、子どもに怒りの声をあげている自分自身に驚いています」と相談がありました。
子どもに向き合うことは、新しい自分自身を発見する場でもあります。これもクリエイティビティなことです。
また幼いときの子どもは、親のポジティブな態度や心・感情、そしてイライラしたり、怒ったりするネガティブな感情や雰囲気も空気のように吸い込み成長していきます。
家庭は、外では出すことのない感情が表現される場でもあります。
そのためにパートナーや子どもとも感情がぶつかることも少なくありません。
そんな環境も子どもが成長する場であります。
親が子どもにどんな環境を整えるか、とても創造的な営みだと私は思います。

なぜ子育てはクリエイティブなのか、次のように考えることもできます。
子育ては共同制作です
自分ひとりの表現ではなく、子どもという「意志を持ったパートナー」とのセッションのような面白さがあります。
子どもと楽しみや悲しみを共有し、泣いたり笑ったりと響き合える喜びに恵まれます。そして、パートナーともセッションですね。
あなたは、子どもとどのようなセッションをしているでしょうか?
子育ては新しい”つながり”を生み出します。
子どもを通して、ママ友や園の先生、子育て支援者など様々な新たなつながりができてきます。新たな人間関係ができることで、生きていくことの豊かさが増します。
そこでは「私らしさ」を表現できる場であっていただきたいです。
子育ては変化するアートです
今、子どもの様子はこんなですと、とても心配する親に沢山巡り会ってきました。でも、「子どもは成長するプロセスの途中にいる」のです。
今の様子が心配でも、子どもも成長していっているのです。
子どもの様子は、成長とともに日々姿、形を変えていきます。それにつれて、親自身もアップデートされていく動的なプロセスになります。それが子育ての醍醐味かもしれません。
子育ては「愛された自分さがし」です
子どもが園に入園すると、自分の園時代のことを自然に思い出されます。
子の七五三や小学校入学では、自分の頃はこうだったと。入学式の体育館の様子も自分の子ども時代を思い出すきっかけになります。
同時に自分が親(子にとっての祖父母)からされてきたことも、自然に浮かび上がってきます。それは、自分が親から愛されてきた思い出、子育ては「愛されてきた自分さがし」に巡り会うことです。
子ども共に心理的にもう一度子ども時代を生きていくのです。
このこともとても創造的な営みではないでしょうか。
子育ては「手放す」美学に彩られています
最終的には、自分の表現の一部であったはずの子どもが、独自の個性を確立して自立していきます。親から離れていくその姿を見届けることが、この表現活動のゴールという点も独特ですね。
皆さんが、子育てで、子どもが成長するために、どのような私を表現するか、クリエイティビティであって欲しいと願っています。
佐々木先生のおっしゃるように、子育てはとても価値のあることと私も感じています。

