学校が好きな子、嫌いな子

   見えていますか、子どもの心

 

■勉強の出来不出来ではな 

運動会 玉入れの写真 学校が好きか嫌いかということは、勉強が好きか嫌いかとか、勉強ができるかできないかということとは、直接関係するものではありません。

 

 現在おとなになっている人たちが、自分の子どものころを振り返ってみれば、よくわかると思いますが、学校は勉強のよくできる子どもだけが楽しかったわけではありません。今日の不登校といわれる子どもたちのなかには、勉強のよくできる子も大勢います。むしろ不登校児の比率は、勉強がよくできる子どものほうに多いくらいです。

 

 それでは、学校が楽しくて好きだという子どもは、いったいどういう子どもなのでしょうか。

 

 学校が楽しいということは、クラスメイトや先生との人間関係がうまくいっていることを意味します。ですから反対に、クラスのなかまや担任の先生と気持ちの交流がスムーズに行き合わなくなれば、どんなに勉強のよくできる子どもでも、学校は楽しくなくなり、やがて苦痛を感じる場所になってしまいます。

 

 子どもに限らず人間はだれでも、学校、職場、地域社会などで顔見知りになった人たちのあいだでみんなから受け入れられ、自分も相手を受け入れているという実感をもてたときに、その集団のなかで安らいでいられるのです。

 

 ですから、子どもはクラスの友だちから共感をもって迎えられ、自分もなかまの気持ちと響き合える感性をもっていなければなりません。いわば、みんなと話がはずむという関係になって、初めて学校は楽しい場所になるのです。

 

 学校が嫌いな子どもや、不登校児のように学校にいることがひどく苦痛になってしまった子どもの多くは、自分がクラスのなかまたちから共感をもって認められ、受け入れられているという実感に乏しく、自分もなかまといっしょにいることに安らぎや楽しさを感じることができません。むしろ窮屈であったり、ひとりでいることのほうがホッとするというようになっていたりします。

 

 たとえ優秀な学力をもっていて、先生からは認められていても、友だちの少なくとも何人かが、その子の人間的な魅力やよさを認めて親しみを示してくれなければ、子どもはいろんな程度の、居たたまれないような孤独感から逃れることはできません。クラスでは学力がいちばん優秀でありながら、学校になじめず、孤独に苦しんでいる子どもは、今日、少なくありません。

 

 

■遊ぶことの大切さ

 

 そこで学校が好きな子どもになるにはどうすればよいかということですが、ひと言でいえば、友だちが好きな子どもになることです。友だちを好きになるということは、友だちに好かれるということです。友だちやクラスのなかで、安らぎやくつろぎを感じることができるようになることです。余計な緊張を感じないで、打ち解けて、クラスメイトに接することができるようになることです。

 

 それでは、どうすると、なかまとの関係のなかで、相手によって、あるいはそのときのグループメンバーの顔ぶれによって、自分が必要とする程度に応じた共感的なコミュニケーションが、臨機応変にできるようになるかということを考えてみます。

 そのためには、学校へ入る以前に、そして入学後も引き続いて、いろんな人たちとのコミュニケーションをするということです。学校に入る前にすでに、近所の友だちやいとこたちと、十分に遊びを楽しんだ子どものほうが、そうでない子どもよりも学校は好きなようです。

 

 友だちと遊ぶということは、なかま同士で一定のルールをつくり、役割を分かち合うことから始まります。そして、協調し合いながら、それぞれが自分を主張し合うことでもあります。

 

 集まった友だちの顔ぶれで、その場の雰囲気や約束ごとを直感し、理解したうえで、なかまとの調和をできるだけ乱すことのないように振る舞いながら、感動し、興奮し合うのが遊びの醍醐昧でしょう。このような遊びを十分に体験することが、学佼のなかでクラスメイトとの心の響き合う会話やつきあいかできることに結びついてくるのです。

 

 

■近隣や親戚とのつきあい

 

 子どもが教室のなかや放課後のクラブなどで、友だちと生き生きと調和し合いながら活動できるようになるには、同時にもっと他の人たちとも、さまざまな人間関係を体験し、練習しておかなければならないと思います。

 

 親戚の人や地域の近隣の人たちとの、日常的な交流も大切です。いとこ同士のつきあいは、年齢や性が異なっても、しぜんな交流ができてよいものです。おじさんやおばさんの家族に連れられて、遊園地、海水浴、スキー、小旅行などに行ったり、夏休みなどにはそのまま泊まりがけで滞在したりする経験も、すばらしいことです。

 

 私たちは今日、このような近隣や親戚の家族との人間関係を楽しむどころか、煩わしく感じて避けがちになりました。

 

 余暇活動も家族だけで気楽に楽しもうとするばかりになりました。このような家庭生活の一般的な傾向も、学校の集団生活になじめない子どもを多くしている一因だと思います。

 

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