乳幼児突然死症候群 (SIDS : Sudden Infant Death Syndrome)

産婦人科医 宮川和幸

 ■死亡原因の第3位

 

 何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が突然に死ぬ疾患です。9割が1歳未満でなくなっています。平成8年度は526名もありました。

 全乳幼児死亡数の最も多いのは、先天奇形や染色体の異常、次に周産期に特異的な呼吸障害及び心血管障害で、第3位がこの乳幼児突然死症候群です。尚第4位は不慮の事故です。
 可愛い赤ちゃん、毎日楽しく赤ちゃんの面倒をみ、その成長発達を喜んでいるのに、ある時突然に死んでしまうのです。両親、家族にとってこんなにやり切れないことはありません。解剖をしても原因は分かりません。

 世界中の小児科医や学者が懸命に研究していますが、本当の事は分かっていません。

 気の毒にもなくなった赤ちゃんの環境も事こまかに調べています。

 

■うつぶせ寝は注意

 

 日本でも真剣に調査しています。そこで乳幼児突然死症候群の発症の危険性を低くするための留意点がみつかってきました。

(1)赤ちゃんを寝かせるときは仰向け寝にしましょう。

ただし、医学上の理由から医師がうつぶせ寝を勧める場合もあるので、このようなときは医師の指導を守りましょう。

(2)妊娠中や赤ちゃんの周囲でたばこは吸わないようにしましょう。

これは身近な人の理解も大切ですので、日頃から協力を求めましょう。

(3)母乳が赤ちゃんにとってよいことは知られています。母乳の出方には個人差がありますが、母乳が出る場合には、できるだけ母乳で育てるようにしましょう。

(4)寝室の室温、衣類、寝具についても「児の暖めすぎ」に注意をしましょう。

 これらのキャンペーンは諸外国でも約10年位前から行なわれ、その結果、例えば米国では出生1,000人当たり2.3人がO.79人に減りました。ノルウェーでも2.4人が0.6人に減りました。

 可愛い赤ちゃんが理由も分からず、突然に死んでしまう。お母さんの悲しみは大変なものですが、そのあと自分を責めつづけるという不幸が、以上の留意点を守ることによって確実に減ってくるのです。死亡してからではおそいのです。

 

子育て協会 「コミュニケーション 19号」 より転載


コミュニティカレッジ会員に、子育て情報誌コミュニケーションが郵送されます。あなたも子育て協会、コミュニティカレッジ会員になりませんか。