しつけの質問箱

 

よだれが多い

 

Q よだれが多く、洋服を1日に何回も取り替えなくてはならないほどぬらしてしまいます。病気や身体異常と関係はないでしょうか。このままにして心配はないのでしょうか。

 

A よだれは子どもの成長につれてだんだんとなくなりますので、特に心配はいりません。よだれは唾液が口の外に流れ出る状態で、たまった唾液を飲み込む要領が下手なために出ます。離乳初期の乳児などは、口の中の形、特に歯肉の形成や前歯が生えていない時期という理由で起こります。

 三歳になれば歯も生えていますから、日常の口の様子に注意して見てあげてください。口を開く、閉じるということや、ものを飲み込むということがうまくできているでしょうか。子ども自身にも歯を磨かせるなど、自分の口の中に関心を持たせるといいと思います。舌の様子や発音が普段どんなふうか気をつけてみてください。発音や赤ちゃん言葉が気になったら、お母さん自身も使ってはいないでしょうか。咀しゃくの問題も影響します。おやつをダラダラ食べるなどの食生活も点検してください。ものを飲み込むことに極端に障害がなければ、心配はないでしょう。ただし、唾液を分泌する機能が必要以上に高まる影響もあります。特に舌の上の刺激、口腔咽頭部の炎症、脱水症や唾液腺の炎症、睡眠・恐怖・感情の高揚、飢餓・絶食、幽門けいれん、噴門けいれんなどです。日頃、よだれの多い子が急に止まったり、よだれの少ない子が急に出る時には、何らかの体の変調があることを注意してほしいと思います。

回答者 小島孝司(小児科医師)

 

お父さんとのかかわりが少ない

 

Q 夫は仕事に忙しく、起きる前に出社し、子どもが眠ってから帰宅する毎日。たまの休日もふれあいが少なく子どもは母親にべったり。こんな関わりで問題はないでしょうか。

 

A 子どもが育つための家庭には、調和のとれた父性的な役割や雰囲気と、母性的な機能とが必要です。父性的な役割とは、善悪の判断や生きる目標を得るための努力の仕方、それに伴う忍耐、思想信条を日常生活の中で教える。すなわち社会的な生き方の指針や規範を示して、社会のモデルとなることです。母性的な役割とは、愛情や共感的な雰囲気を作り、感情や欲求を上手に受け容れて、家庭の中に甘えや安らぎ、平和をつくり、人間関係を保っていくものです。

 お父さん、お母さんのどちらがその役割を果たすかは、それぞれの家庭で話合い協力して受け持つのがいいと思います。問題は社会的規範を教える機能がなく、安心してくつろぐ雰囲気もないという家庭でしょう。そういう家庭の子どもは、目標もなければ安らぎもなく混乱し、情緒的に不安定でいつもイライラし、欲求不満をもちながら生活するでしょう。あるいは無気力かもしれません。

 どうしてもお父さんは日常生活の中で子どもと接する時間が少なくなると思いますが、いつも子どものそばにいればいいというような時間の長短ではありません。子どもはお父さんとの少ない関わりの中でも、どんな価値観でどんな生き方をしているかを見出していきます。何気ない生活の中から生き方の基本のようなものを学び、自身をつくるモデルの基盤にしていくのです。夫婦でよく話し合って、お父さんとしての役割をしっかりと考えてほしいと思います。

回答者佐々木正美(精神科医師)

 

集団になじめない

 

Q 入園したのですが、みんなとの一斉行動になじめないようで気になります。自分のやりたい遊びに夢中になって、この先の園生活が心配なのですが…。

 

A お母さんから離れて新しい環境に旅立ちましたね。園のどこを見渡しても珍しいものばかりで、やってみたいものがたくさんあるのではないでしょうか。砂場遊びもブランコ乗りも夢中になれるくらい「やりたいこと」があるのですから、意欲的なお子さんなのですね。例えば自分は好きなことをして遊んでいるときでも、クラスの友達がなにをやっているか気にしながらそちらへ視線を向けているものです。帰宅後いかにも満足気に自分も参加していたという様子をお母さんに伝えているお子さんがいます。気持ちの上では実際に皆とやっていたと思っているのです。夢中になれるのですから、もっと慣れてきてお友達ができてくれば生活の上にも変化が現れ、一緒に取り組めるようになります。

 二学期になっても勝手な行動が多いときには、家庭での指示や命令が強く、親のいない園で解放感を味わっている場合も考えられます。その場合は、親の願いは伝えてもいつからやるかは本人に任せて、望むことを望むように受け容れながら、他の面でも自信をもてるような接し方が好ましいと思います。

 今はやりたいことを十分にかなえてあげ、その気持ちを受けとめていくことで満足すれば「(今している)遊びが終わったらお部屋に入ろうね」という大人の願いも聞き入れてくれる事でしょう。どんなに内気なお子さんでも、必ずその子にあったお友達ができるものです。そうすると園生活がより楽しくなりますので、ゆっくりその時期を待ってあげましょう。

回答者 大八木美代子(幼稚園教諭)

 

指しゃぶりが治らない

 

Q 眠りにつく前はもちろん、日中も時々指しゃぶりをしています。注意するとその時は止めますが、またいつのまにかしています。どうしたら治せるでしようか。

A 指しゃぶりを始め、爪をかんだりタオルやぬいぐるみを離せなかったり、この位の年齢には様々なくせが見受けられます。指しゃぶりの様子は、何か欲求不満のように見えてしまうし、もう赤ちゃんを卒業してもよい頃なのに…と、親としては気になってしまうでしょう。こうしたくせを無理に止めさせようとしても逆効果。かえってイライラし、不満をつのらせてしまいます。子どもにだって、いろいろな緊張や不安があったり、ストレスがあるはずです。精神的なはけ口の一つで、不安を解消しているのです。子どもを取り巻く環境はどんどん変わっていきます。そちらの方に気をとられて自然にやめていくものなのです。

 もともと赤ちゃんは口で吸う欲求が強いですから、本能的に指をしゃぶってしまうということもありますね。それをみっともないと禁じるのは酷なのでは。眠りにつく前も、その世界に入る一種の儀式のようなものなのでしょう。

 気になるのは人工的な「おしゃぶり」です。手がかからなくてラクだからと始終くわえさせている人がいます。指なら遊びに忙しくなれば、しゃぶっている暇はありません。おしゃぶりよりは指の方がずっといいと思います。とにかくあまり気にせずに、その子がいろいろな形で親や周りとの関わりを広げ、楽しい体験をたくさんできるよう、心がけてください。

回答者 小島孝司(小児科医師)

 

佐々木正美 監修 ゆめこびと 編・著 
−子どもの心を育てる−「しつけの本」
 子育て協会より

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