指しゃぶりが治らない
Q 眠りにつく前はもちろん、日中も時々指しゃぶりをしています。注意するとその時は止めますが、またいつのまにかしています。どうしたら治せるでしようか。
A 指しゃぶりを始め、爪をかんだりタオルやぬいぐるみを離せなかったり、この位の年齢には様々なくせが見受けられます。指しゃぶりの様子は、何か欲求不満のように見えてしまうし、もう赤ちゃんを卒業してもよい頃なのに…と、親としては気になってしまうでしょう。こうしたくせを無理に止めさせようとしても逆効果。かえってイライラし、不満をつのらせてしまいます。子どもにだって、いろいろな緊張や不安があったり、ストレスがあるはずです。精神的なはけ口の一つで、不安を解消しているのです。子どもを取り巻く環境はどんどん変わっていきます。そちらの方に気をとられて自然にやめていくものなのです。
もともと赤ちゃんは口で吸う欲求が強いですから、本能的に指をしゃぶってしまうということもありますね。それをみっともないと禁じるのは酷なのでは。眠りにつく前も、その世界に入る一種の儀式のようなものなのでしょう。
気になるのは人工的な「おしゃぶり」です。手がかからなくてラクだからと始終くわえさせている人がいます。指なら遊びに忙しくなれば、しゃぶっている暇はありません。おしゃぶりよりは指の方がずっといいと思います。とにかくあまり気にせずに、その子がいろいろな形で親や周りとの関わりを広げ、楽しい体験をたくさんできるよう、心がけてください。
回答者 小島孝司(小児科医師)
佐々木正美
監修 ゆめこびと 編・著
−子どもの心を育てる−「しつけの本」
子育て協会より