友達をたたいてしまう
Q 買い物などで見かけた同じ年齢ぐらいの子に寄って行ってはたたいたり、すべり台の上でも友達をたたいてしまいます。危ないのでつい強い口調でしかってしまいます。
A お子さんが周囲の人に対して関心を向け始めたのですね。知らない子に寄っていくのは「お友達になりたい」「仲良くしょう」というサインでしょう。この時期の子どもは同年齢の子ども同士の遊びの中で、自分ではできないことをやってもらったり、相手の反応からたくさんの刺激を受けたりして対人関係を学んでいきます。日常行動では「自分でやりたい」「自分が先にやりたい」などと願望をはっきり主張します。お子さんの気持ちを大切にし、お母さんは認める、励ます、ほめるを心掛けて接してあげましょう。どんなことでも失敗を繰り返しながらできるようになることで、頑張るという尊い経験を身につけていくのです。
遊びは必ずしも仲良く協同で譲り合うというばかりではありません。順番の争いやケンカ、競争などが必ずおこりますが、これらは重要な社会的行動なのです。もちろん危険を伴う場合には、しかることも必要ですが、お母さんは、お子さんが仲間とのトラブルを通してがまんして譲ることや自分の思いを伝えることなどの社会性を学んでいることを理解してあげましょう。親の愛情と適切な世話を受けた子どもほど、仲間に関心をもっていきます。何度でも同じことをくりかえしていることは、心の発達状態が健康かどうかをみるポイントなのです。様々な人との出会いと体験を数多く得ることが、お子さんの将来にとっての人格形成には欠かせないことですから、長い目で育んでまいりましょう。
回答者 井上ま津江(子育てコーディネーター)
佐々木正美
監修 ゆめこびと 編・著
−子どもの心を育てる−「しつけの本」
子育て協会より