しつけの質問箱

 

夜泣きがひどい

Q 夜なかなか寝てくれないし、やっと寝たと思ったらすぐ起きて泣くのを繰り返します。こっちも疲れてノイローゼ気味。どうしたらいいでしょう。

 

A 人間は夜行性の動物ではありませんから、夜は安心して眠れるようにするのが自然です。赤ちゃんでなくとも心寂しい時間ですから、添い寝をしたり、こもり歌をうたってあげたりすることが大切でしょう。スキンシップの重要性はユニセフやWHOでも提唱されていることです。添い寝についても母子相互作用の研究の結論からすすめられています。

 大人の一番眠い時間、午後十時ごろから午前二時ごろに、ほとんどの赤ちゃんがぐずります。おなかがすいているなら一生懸命泣くのですが、そうではなくてぐずるのです。これは「さびしいよ」「不安な気持ちだよ」「たいくつしたよ」という泣き方のようです。母親が部屋から出て行くと赤ちゃんの体温が下がる、という事実がサーモグラフィー※によって判明しています。母子はできるだけ一緒にいることが望ましいのです。

こんなときのためにこもり歌があるのです。こもり歌は赤ちゃんにとって心の栄養と思います。テープなどで横着しないで、生のお母さんの声で聞かせてください。耳の側でお母さんの優しい息づかいと匂いで赤ちゃんは安心します。こもり歌にはそんな効果があるのです。

※サーモグラフィー…赤外線を感知する装置で温度の分布を読み取り色で映像化する。

(回答者 宮川和幸 産婦人科医師)

 

抱き癖がはげしい

Q 同居のせいか、泣いたときに放っておけません。ぐずっても、泣いても抱っこ。抱かないと泣き続けています。初めての子なので神経質になっているのか、抱き癖が心配です。

 

A 抱き癖がつくことを心配されているようですが、なぜ抱き癖がいけないのですか。スキンシップが子育ての原点です。抱きしめることが一番大事です。なめるようにかわいがってください。子どもが自分の判断で行動するには、後ろにいつでも守ってくれる親があればこそです。不安なときには十分に抱いて安心させてあげましょう。

 赤ちゃんが泣くのは、おなかがすいたときばかりでなく不愉快なことすべての表現です。なんとか原因を大人が見分けるほかありません。思いやることが大切なのです。暑かったり寒かったりしないか、寝返りをうちたいので向きをかえてほしいのか、おしっこやうんちがしたいのか、おむつが汚れているのか、たいくつしてさびしいのか、など。

 もちろん赤ちゃんの扱いに慣れてくれば、自然にわかってくることです。しかし、はじめは昼夜をたがわず泣かれ、お母さんの疲労も加わり、とにかくおなかをいっぱいにして泣きやんでもらおうと考えがちです。それでも泣きやまないと初めてのお母さんはパニックをおこし、育児を楽しめなくなってしまいますよね。時間や時計にとらわれすぎるのも問題です。赤ちゃんは、お母さんがゆったりしているとゆったりしているし、イライラしていると落ち着きません。お母さんの状態に、驚くほど敏感に反応しますからあまり神経質にならないでください。

回答者 宮川和幸(産婦人科医師)

 

添い寝をする習慣をつけでもいいのか

 A いつも一緒に寝ています。一人で寝かせたほうがよいでしょうか。なるべく一人で寝てほしいのですが、添い寝でないと寝ないのです。このままでもいいですか。

 

Q 赤ちゃんはお母さんの体温やにおいにつつまれて寝るととても安心します。一時、添い寝は赤ちゃんを窒息させることがあって、野蛮だといわれました。家事労働が電化されていなかった昔、子沢山のお母さんが疲労の余り窒息させる事故がまれにあって、誇張して伝わったのでしょう。不思議なことに、どんなに疲れていても添い寝をしながら子どもの様子は分かるものだと、経験を積んだお母さんたちは自信をもっていいます。夜中は赤ちゃんにとって不安な時間なので一人で寝かせていると泣くことがあります。添い寝をしたり、こもり歌を聞かせたり、話しかけたりすると、泣きやむことが多いものです。

 今は一般に赤ちゃんのふとんやベッドは独立しています。お母さんの体温や匂いにふれることができません。母乳で育てて生後数日たつと他人の母乳のしみたガーゼとお母さんの母乳のしみたガーゼを鼻先にもっていくと、ちゃんとお母さんのお乳がしみたガーゼのほうに顔をむけます。驚くほどの能力です。添い寝をするということは、赤ちゃんにとってとても安心なことなのです。いくつになってもお子さんに求められるなら、添い寝をしてあげてください。自立させることと添い寝をしていることは反比例することではありません。

      回答者宮川和幸(産婦人科医師)

 

仰向けかうつ伏せ寝か

Q 頭の格好が悪くなってはいけないと思って、うつ伏せに寝かせていますが、姑に窒息するといけないから仰向けに寝かせたほうがよいのでは、と言われ悩んでいます。

 

A 日本では、赤ちゃんを仰向けで寝かせる習慣があります。赤ちゃんの頭は柔らかいので、そのうちに後頭部が平らになり、いわゆる絶壁になって格好が悪くなる赤ちゃんがいます。欧米の多くではうつ伏せ寝です。これは科学的に考えてそうなったのではなくて、風俗習慣と考えてよいでしょう。

 うつ伏せ寝には色々の利点もあるとされていますが、大変重要な前提条件があります。まずベッドはアイロン台に近いくらい堅いこと。決してフワフワの敷布団ではいけません。

次にシーツはピンと張ってしわのよらないもの。この条件はぜひとも守ってください。

布団で寝る習慣の日本では、柔らかいふとんで赤ちゃんを寝かせてあげたいと考えますね。頭の形もよく、窒息の心配もなく、お姑さんも安心するために、赤ちゃんは横向きで寝かせるのがよいと思います。上側の足が下側の足より、体の前に出るように(シムス体位※)してください。こうしないと体の重みでいつとはなしに仰向けになってしまいます。横向きに寝て下になっている方がしびれてくると泣くので、向きを変え、さすってやってください。また、右、左と向きを変えることで、おだんごをこねるように頭は丸くよい形になります。食後は右側が下になるようにすると、飲み込んだ空気が出やすくなります。 

※シムス体位…妊娠後期にこの体位で寝たお母さんも多いことでしょう。

回答者 宮川和幸(産婦人科医師)

 

うつぶせ寝に注意(乳幼児突然死症候群)について
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