友達ができない risu.gif (7358 バイト)


友だちと呼べる子かいますか?

 

「一年生になったら」という歌の中に「友だち100人できるかな?」というフレーズがありますね。今は一年生全体でも100人もいない学校がほとんどですから、友だちはいったい何人くらいできるのでしょうか。

 友だちができない子が多くなっているようです。少子化のせいで近所に遊び友だちがいなかったり、大人の中で育っているために子ども同士のコミュニケーションがヘタな子が増えています。社会の変化、親の教育方針や子どもたちの変化など、理由はたくさんあるでしょうが、具体的にはどのような状態で子どもたちに表れているのかを、神奈川県内の公立小学校の先生3人に尋ねてみました。

 

 

ケース1 親の思いがプレッシャーに

小5 男子

  仲間を求めているのに、集団行動がうまくできない。自分の思い通りにならないとパニックになって叩いたりぶったりするため、周りの子が嫌がってのけものにし、いじめる。こうあるべきという親の要求水準が高い割に本人の実力が伴わない。身の周りのこと(身辺自立)ができないことが多い。幼児期を兄の病気の通院に母親とともに付き添って過ごしたため、子ども同士の接触が少なかった。入学したのだからしっかり、という親の期待が本人にはプレッシャーになっている。

 

 

 子ども同士のかかわり合いが十分にないまま入学してしまった子の例です。遊びの経験も少なかったのかもしれません。それを親が不憫に思って、逆に「しっかりしなさい」とばかりに子どもを激励する。こうあるべきという親の期待が重すぎて、心のバランスを保てない状態になっているようです。

 

 

ケース2 自分に自身が持てず、他人に対しても攻める子

小3男子

 「どうせ自分はだめなんだ」「自分は嫌われている」などと言う被害者意識の強い子。同時に、相手に対する見方も厳しく、他人のささいな失敗でも許せなくてあげつらう。頭がよくて発想はすばらしいが、手先が不器用で運動が苦手。大人社会で育っているため、大人とは話が合う。いつも兄弟に比較されて育ったせいか、自分に自信がもてない。自分が悪くても気づかず、仲間外れにされたことを愚痴っている。

 

 

 小さい頃から比較されたり叱られてばかりで、自分を受け入れてもらえない、認めてもらえないという不安感が大きかったのでしょうか。何か一つでもいいから自分で自信のもてるものがあると、周りからも認められ、友だちもできます。この子の場合は体操クラブに入ったことがきっかけで自信を取り戻していきました。例え本人に原因があっても、とにかく話をよく聞いて、気持ちを丸ごと受け止めてあげることが大切ではないでしょうか。

 

 

ケース3 友だちほしさに物でつる子

 小5女子

 女だちがほしくて、物をプレゼントして気を引く。文房具やファンシーグッズを贈ったり一緒にお店に行って、友だちになってほしい子に買い与える。性格は強くて、番長タイプ。他の子は怖くて逆えなかったが、集団で拒否反応を示したため、その子は物でつる手段をとった。5人兄弟の末っ子。上の兄弟たちはすでに成人。小1の頃に母親が亡くなった。

 

 

 物で気を引くなんて、と思いますが、案外親の方が似たような交換条件を出してはいないでしょうか。「〜すれば〜してあげる」とか「〜してあげるから〜しなさい」といったような。条件つきの友情が成り立たないように、条件つきの親子関係は望ましくありません。子どもは無条件の愛情を求めています。

 

 

ケース4 友だちを必要としない子

小4 男子

  友だちがいなくても、ひょうひょうとしている。一人でいるのに平然としている。友だちが家に来ても、ジュースやお菓子やTVゲームを振る舞い、接待してしまう。当然疲れてしまう。頭ほよくテストはよくできるが、サッカーやドッチボールなど大勢で遊ぶボール遊びのルールがよくわからない。先生とは仲が良い。お母さんが人づきあいが薄く、他の人との行き来がなかったようだ。

 

 

 先生方のお話を聞くと、いくつかの共通点があります。まず、このケース4のように、友だちを必要としない子が増えているということ。必要と感じないというか、一人でいても寂しさを感じない子を見かけるようになったというのです。「家庭が完結しているせいでは。他の家族との交流がなくなり、家の中をさらけ出さなくなった。醤油などの貸し借りなどもしなくなり、コンビニに行けば何でも手に入る時代。何かをしてあげる、してもらったという経験自体も少ない」(H先生)。

 「家庭の中では一人っ子や二人兄弟が主流。友だちより自分を満足させられるもの(TVゲームや玩具など)が家の中にたくさんある。友だちがいない、少ないということもマイナスと思っていない。友だちも気が合う、合わない程度で、心の底から気を許していない」(K先生)。

 友だちといたいというのは、人間の基本的な集団欲求のはず…。それが必要としない子が増えているというのはかなり深刻な問題のように思えます。また「子どもたちは以前と比べて、人に対する見方や考え方が自分中心になっていて、何でも人のせいにする。自分を振り返るよりも他人を責める傾向にある。親自身も自分の都合優先、権利の主張が多い」(M先生)という指摘がありました。ケース2のような場合です。いわゆる“他罰的”な傾向にあると言えるでしょうか。

 「家庭の問題点に気づいていない親が、友だちのできない子には多い。教師も真剣になって友だちづくりや仲よくできる子を育てようという配慮が足りない。教科のカリキュラムが多すぎて学級活動や話合いの時間が少なく、仲間と共感できる経験が少ないことが原因かも」(K先生)という指摘もありました。

 

▲上に戻る