■ 性への出会い 

 思春期には、三つの出会いがあるといわれます。

  一つは友人との出会い。共通の価値観や関心を共有し信頼できる友は一生の友となりえる可能性があります。充実した生活と希望に満ちたあゆみには友人の存在が欠かせません。二つ目は自分自身との出会いです。内なる自己と対面し、自己の内省や洞察を深めることは、他者の目を意識する機会とともに深まります。自己との対話は、思春期になり日記を書き始めることに象徴されます。一方、他者への批判や行動化、他者の視線に おびえるこの時期は、自己の不確実性を示すものともいえるかもしれません。

  そして、三つ目の出会いは、性への出会いです。身体が大きく変貌、成長し、とまどいと怖れとが同居する中で、自らの性をどのように受け入れていくかが問われます。これは同時に異性へのまなざしと対応が問われる時期でもあるのです。

  大人社会への目が急激に開かれていく時期ですが、子ども達の成長の度合いや違いは大きなものがあります。人と出会う機会が減少し、それとともに自己と向き合う力も弱くなっているように感じますが、性への出会いに関しては、よりオープンに、より多彩になっているようです。

 性への出会い

  高校入試のストレスから解放された子ども達は、異性への関心と誘惑は強くなるばかりです。カップルで登下校し、休み時間には二人でいる様子がよく見られます。廊下を手をつないで歩く光景は珍しくありません。

  「キスマークって、そのくらい愛されているって事じゃない?M男がつけたいくらい愛しているってことじゃない。愛されているってことだからいいょ」「だってぇ〜。いやぁーだ」そんな話で盛り上がる生徒たち。「ねぇ先生どう思う」そうだねぇなんてごまかしますが、このように親密な友人達の中では、性的会話もかなりオープンになってきているのです。

  さて、1年の時から同じクラス、同じ部活で仲のよかった3人。2年生になりメグミと美穂との関係が微妙になり、メグミが一歩距離を置き始めたころ、仲を取り持つ敬子の手紙を紹介しましょう。

 

  『Dear メグミ メグ、胃、大丈夫? きっと「平気だよ」って言うと思うけど、美穂のことあんまり深く考えちゃダメョ。ちゃんとschool来るのョ 。きっと来たくないだろうけどっっ。

 あとね、話変わるけど、おととい、美穂の家に泊まって、父CHANには「バイト先のカギがなくなっちゃったから、バイト先に泊まる」って言ったのよ。それで、次の日、竜也に会ったら「本当に美穂の家に泊まったの? 他の男と遊んでたんじゃないの?」って言われて、むこうが怒っちゃったのよ。その日に竜也に「ごめんね」って言われて、仲直りしたけど。家にだーれもいなくて、「やろ?」って言われたのよ。でも下着も昨日のだしさ。

  なーんかいやじゃん。恐いし、恥ずかしいし、で「やだ」って言って結局やらなかったけど。「やっぱり好きじゃないんだ」って竜也に言われた。

  でもね。嫌いじゃないんだけど、本当に好きなのかな?って思っちゃうのよ。何か、勝手だけど、竜也と少し離れて、考えたいなぁーと思った。

  少し離れて、「やっぱりいっしょにいたい」と思うんなら、好きなわけじゃん。きっと、昨日の今日だから、きまづいな!と自分で思ってるだけだと思うけどさ。

  FROM 敬子P.S  元気だしてネ メグミ 部活もちゃんと来るのよ。』

 

  竜也に思いを寄せる敬子16才のとまどいと不安が伝わります。この後しばらくして敬子は竜也と結ばれます。(氏名は仮名 つづく)

 

2000/8/3